遠州の初盆文化
遠州の初盆文化「盆義理」
故人がなくなって初めて迎える最初のお盆を「初盆(新盆)」と言います。
遠州地方は初盆行事を重視し、盛大に行うため、初めて参加された方は、独特の風習にビックリされます。
他の地方とはどこが違うのか、浜松の特色をご紹介します。
全国的に珍しい盆義理
一般的に初盆は、親族だけ集まって、執り行われるものです。
遠州ではお盆になると、初盆を迎えるお宅へお葬式に参加されたほとんどの方(親族・友人・町内・会社関係など)が、初盆のお宅へ弔問します。町内で初盆のお宅が多いと、一日に何軒も回ることも珍しいことではありません。
そして、初盆を迎えるお宅は暑い中お越しいただいた方々に、飲み物や礼状を添えたお返しの品物を渡します。これを「盆義理」と言い、おそらく全国でも遠州だけのものでしょう。
宗教や家庭の事情で「盆義理」を行わないお宅もありますので、遠方の場合は、事前に確認をしてから弔問するとよいでしょう。
華やかな初盆祭壇を飾る
玄関先で迎え提灯を吊るし、迎え火・送り火を焚く。おしょろ様(ご先祖の乗り物とされる、キュウリの馬・ナスの牛)や盆提灯を飾るなどの風習は全国で見られます。
その一方遠州では、それらの風習以外に、華やかな初盆祭壇に供花や籠盛といったお供え物も飾り、故人を迎え入れます。
盆供の不祝儀袋が売られる
浜松の場合はお盆になると、表書きに「盆供」と書かれた不祝儀袋が、スーパー・コンビニなどで売られます。
遠州の初盆は、葬儀後に再び大勢の人々が集まり、故人を偲ぶ皆様とのご縁を大切にできる時間です。親族のおもてなしや盆義理返しなどで大変になりますが、遠州の初盆文化を守っていきたいですね。