故人へ送る生花の種類
故人への祈りを込めて生花を飾ったり贈ったりすることは、宗教や民族を越えて長く行われてきた習慣のひとつです。
もともとは遺体の腐敗を防ぐ目的から始まったのだと推測されていますが、現代では草花を生命力の象徴とみなし、
死者の新生を願うために供えるという考え方が一般的なものでしょう。
花の種類
英語ではシンパシー(思いやり・お悔みの意)フラワーと呼ばれる葬儀の花ですが、日本では細かい分類があります。
今回はその中の「枕花・供花・花環・献花」の4つの花について紹介します。
枕花(まくらばな)
「枕花」というのは、お亡くなりになられてから通夜までの間に、故人の枕元にお供えする花を言います。
ご遺族と共に「故人を偲び、悲しみを分かち合う」という意味を持ち、哀悼の気持ちを表す花です。
何らかの事情で通夜・告別式の後のお届けとなった場合は、ご霊前・お供えの花とされます。
供花(くげ・きょうか)
「供花」は通夜・告別式で祭壇のそばに供物と共にお供えします。故人の近親者や、式に参列できない方が供花を贈ります。
お悔やみの気持ちと冥福を祈る気持ちを込めて供える花で、故人への最後の贈りものでもあります。霊を慰める意味やお別れの悲しみが癒えることを願う意味も持っており、白を基調とした生花が使用されます。
花環(はなわ)
「花環」は通夜や告別式に、式場内外や入口に飾ります。花環というと祝い事のイメージがあるかもしれませんが、こちらは故人を偲んで贈るもので、「供花」と同じ意味合いを持ちます。
主に白や寒色系の花を使用し、親しい親族の方や、ゆかりのある会社・団体から贈られます。
献花(けんか)
「献花」は告別式で祭壇に供える花で、葬儀に参列した人から故人へと贈られます。キリスト教や無宗教の葬儀で行われることが多く、ご焼香の代わりに哀悼の意を示すために捧げます。
こちらは参列者が個々に用意するものではありません。仏式では「別れ花」とも言われています。