はまゆうの会

お葬式で助六寿司を食べるのは?

浜松市のお葬式でも、稲荷寿司と巻き寿司の入った「助六寿司」を食べることが多いと思います。スーパーやコンビニエンスストアでも売られているので、普段の食事でも食べる方が多いともいますが、もともと助六寿司は歌舞伎の第一幕と第二幕の間の休憩中に食べるお寿司です。人気演目の「助六所縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」から名付けられました。

主人公「助六」が江戸吉原の遊女「揚巻」に恋するお話で、遊女の名前にちなんだ「揚げ寿司(稲荷寿司)」と巻き寿司が入っているお寿司だから「助六寿司」と呼ばれるようになりました。
それでは何故、歌舞伎のお寿司はお葬式で食べられるようになった理由は、食材にお肉やお魚が使われていないからです。身内が亡くなってから忌が明ける四十九日間、お肉やお魚を一切食べずに精進することが供養とさてきました。そこで精進期間中でも堂々と食べることが出来るために、お葬式でも食べる定番のお寿司となりました。

火葬時間の間に、お手伝いいただいた方やご親族に召し上がっていただくことが多い助六寿司です。

お葬式のコートはどうする?

喪服に羽織るコートはやはり、黒一色のシンプルで飾りや柄がないシンプルなものが一番です。フォーマル用の高いコートも素敵ですが、安く使いやすいコートも一枚あるといいでしょう。しかし、数回しか使用しないものを購入するのも躊躇しますよね。黒のコートを持っておらずお手持ちのコートを着用する場合は、黒に近いグレーやこげ茶など地味な色でしたら許容範囲といえます。
その中で特に葬儀用のコートとして控えたい物は

〇殺生を連想させる毛皮や革を使用したもの。また毛皮や革の飾りを外すことが出来れば大丈夫です。
〇金や銀の金具、エナメルやラメなどの光る素材。葬儀用のボタンカバーでボタンを隠す方法もあります。
〇カジュアルなフード付きのコート及びダウンジャケットやジャンパー。

実際のところ黒のダウンコートを着ている方や、トレンチコート・フード付きのダッフルコートもお葬式の会場でよく見かけます。氷点下を越える地域などでの葬儀では、冠婚葬祭のマナーよりも防寒対策を重要視しているところも多いです。遺族側もその点はご理解しているのでダウンコートはもとより、ニットの手袋や長靴を履いて葬儀の参列しても問われない場合が多いようです。寒い地域のお葬式に参列する際は、どの程度の防寒対策をするのがいいのか尋ねてみるのも一つの方法です。
マナーとはいえ、無理をして体調を崩してしまうのはかえって心配をかけることになります。弔意を表す服装を心掛ければ心配ないことが多いのでくれぐれも無理はしないようにしてください。

喪服で温まる工夫

最近のお葬式は会館で行うことが多いので、葬儀式中は快適ですが出棺でお見送りする時や移動する時など、寒さがつらかった経験はありませんか?参列したために風邪をひいたり具合が悪くなったりということが無いように、真冬のお葬式の防寒対策を考えていきます。

【喪服で温まる工夫】
冬に最適なウール素材の喪服もありますが、春夏秋の3シーズン着用可能な喪服しか持っていないという場合は、真冬日だと生地が薄くてつらいと思います。気温が10度を下回る時期は、喪服の下に保温性の高い肌着で寒さを防御する方法もお勧めです。特に中高年の方々は冷やしてはいけない病気や、膝を悪くされる方などが増えていきます。
そのため女性のパンツスーツを着ている方を、見かけるようになりました。その方がパンツの下に肌着を履くなどしっかり防寒することが出来ます。しかし、略礼服にあたるので地域やご家庭によっては、パンツスーツが失礼に当たる場合があるのでご注意ください。

【足を温める工夫】
現代は基本的にジャケット+ワンピースの喪服を多数を占めています。その場合、透け感のある黒のストッキングとパンプスを合わせるのがマナーですので、足元が冷えやすいと思います。タイツやブーツはカジュアル感が出てしまうので、通常は避けたいところです。しかし真冬や寒い地域では、無地の黒であればタイツでも問題ないとされています。他にも足裏用のカイロを使うのも一つの方法です。
また裏ワザとしては、一枚ベージュのストッキングを穿いてから透け感のある黒ストッキングを重ねるという方法もあります。靴も豪雪・豪雨などの悪天候でパンプスで歩くのが大変な状況であれば、きちんとした黒のショートブーツでもかまわないでしょう。また自家用車の移動であれば荷物が置けるので、車内でブーツや長靴からパンプスに履き替えて会場に入るといいでしょう。高齢者の方はショートブーツや足首をしっかり守って、歩きやすそうなデザインの履物を選ばれることも多いです。
それよりも靴で特に気を付けていただきたいのは「音」です。葬儀式中は読経が響く静かな空間です。その中でパンプスのかかとをコツコツと響かせるのは、あまり感じの良いことではありません。音が出やすい靴の場合は、歩き方を工夫するなど注意すれば多少は軽減できます。

寒さ対策をすると場合のよっては厳密なルールやマナーにそぐわないかもしれませんが、現実的には喪服を着用し弔意を表す服装を心がければ心配ないことが多いと思います。迷ったときは親や兄弟、親戚など相談してみると良いでしょう。

遠州地方のお通夜

友人・知人など故人とさほど近くない間柄のお葬式には、お通夜だけの参加が多いと思います。しかも残業などの日は17時~21時の間に弔問することもあるでしょう。しかし「一般弔問ができる時間ならいつ行っても大丈夫!」というのは遠州地方で多く見られる独特の文化で、「流れ通夜」と言われています。

全国的には一般のお客様も「開式⇒読経⇒焼香⇒喪主挨拶⇒閉式(仏式の場合)」と通夜式に参加するために開式の10分位前までには会場に入るのが一般的です。静岡県浜松市のお隣、愛知県豊橋市でも通夜式に参加することが多い為、浜松市のお通夜に来ると戸惑うこともあるそうです。

浜松市の場合、通夜式は親族のみで執り行い一般弔問は通夜式後の約2時間程度の間に弔問します。(概ね18時~20時ころ)その間はご親族の方が弔問に見えた方をお出迎え
します。そのため遠方のお客様は「通夜式に親族しか揃っていない」「時間を間違えたかな?」など戸惑うことがあるので、事前に説明をした方がいいかもしれません。浜松市の場合、時間内に弔問すれば遅刻ではありません。
しかし通夜式に参加する地域の葬式でやむを得ず遅刻した場合は、「急なことでご愁傷様です。本日は遅れてしまい大変申し訳ありませんでした。せめてご焼香だけでもさせていただいてよろしいでしょうか?」など、謝意を伝えることが大切です。タイミングは式場スタッフに案内してもらうと良いでしょう。

受付が終わっていた時もご遺族や式場スタッフに確認」してみてください。状況によってはお香典をお渡しできない場合もあるので、そのような時は本葬(お葬式)の受付で渡すか後日改めてご自宅に伺い、お渡しすることをお勧めします。事情によて本葬に参列できない場合は、現金書留でお香典を送り喪主(関係者名義)宛に弔電(お悔みの電報)を送ると良いでしょう。

お葬式の献杯と乾杯の違い

普段の宴席などでは「カンパイ!」の掛け声をよく耳にすると思います。
お酒の席やお祭り、結婚式などでは「乾杯」の声で杯(グラス)を交わし楽しく盛り上げて飲み始めますが、葬式や法要の精進落とし等の会食時は「献杯(ケンパイ)」を使います。「乾杯」と「献杯」には根本的な違いがあり、それぞれ表す漢字が示すように「乾杯」は『乾(ほす)』、すなわち注いだ飲み物を一気に飲み干し祝いの気分を盛り上げたりすることを意味します。

逆に「献杯」とは『献(ささげる)(たてまつる)』という故人に敬意を表す意味があります。「献杯」は故人に敬意を払い杯をささげる意味合いから、挨拶の後に行われる「献杯」の発声があったら全員で「献杯」と静かに唱和をし、合唱または黙祷をします。
近くの方と杯を打ち合わせたり拍手をしたりしません。杯を高く掲げずに軽くグラスを持ち上げる程度です。くれぐれも、にこやかな顔をして「ケンパイ!」と大声を出さないように気を付けて下さい。

杯は乾杯と違いますから一気に飲み干す必要はありませんが、故人に敬意を表してのものですから少しだけ口をつけるようにして献杯時は飲むといいでしょう。